心電図の読み方 鏡像変化(ミラーイメージ)について解説します。

鏡像変化とは
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12誘導心電図を見た時、誘導によってSTの上昇と低下を同時に認めている波形に出会ったことはありますか?

これ実は鏡像変化(ミラーイメージ)と言って異常ではありません。

今回の投稿では鏡像変化が起こる仕組みについて説明したいと思います。

鏡像変化(ミラーイメージ)とは

 
心電図には後壁に対する誘導(背中に電極)が無いため、

純後壁梗塞では本来どこの誘導にもST上昇、異常Q波、冠性T波が出現しません。

しかし後壁の対角線上に位置している誘導ではそれとは上下逆の波形が記録されます。

すなわちST低下、R波増高、T波増高です。

これが鏡像変化と呼ばれる現象です。

臨床ではSTーT部に注目する事がほとんどです。

鏡像変化が起こる仕組み

まずは下の図を見て下さい。

【図① 左室正面】鏡像変化とは

これは左室を正面からみた図です。

立体的なものを平面的にみているので多少無理がありますが、ざっくりみると

前側壁をみている【Ⅰ、aVL、V1〜V6】と、下壁をみている【Ⅱ、Ⅲ、aVF】は

図のように心臓をそれぞれ反対から眺めていることになります。
 
 
 
今ここで前壁に梗塞が起こったとすると、心筋内では図の様な状態が起こっています。
【図② 前壁では障害電流が電極へ向かわないので、基線が下がりSTは上昇する】鏡像変化とは

これを、V1〜V4と反対側からみているⅡ、Ⅲ、aVFから意識してみると図の様になります。
【図③ 後壁からみると、結果的に障害電流が電極の方へ向かうので、基線は上がりSTは低下する】鏡像変化とは
 
 
 
この様に、心電図電極と心臓の位置関係上、STを変化させる原因である障害電流が流れる方向が逆になることが

鏡像変化を起こす仕組みとなります。

STの上昇か低下で迷ったら

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前回の投稿にも書きましたが、STの上昇と低下が同時に認められた場合は

どっちを信じれば正しいのか分からなくなる場合があります。

「Ⅰ、aVL、V1〜V4のST上昇が正しくて、Ⅱ、Ⅲ、aVFは鏡像でSTが低下している様に見えるだけ?」

「ということはつまり前壁の貫壁性梗塞?」
 
 
「いやいや、Ⅱ、Ⅲ、aVFのST下低下が正しくて、Ⅰ、aVL、V1〜V4こそが鏡像でSTが上昇している?」

「つまり下壁の心内膜下梗塞?」
 
 
 
答えは、前者のⅠ、aVL、V1〜V4のST上昇、つまり前壁の貫壁性梗塞です。
 
 
 
鏡像変化は、実はST上昇にのみ認められることがほとんどで、

労作性狭心症で起こる心内膜下梗塞を意味するSTの低下では認められることは基本的にありません。

この様な場合にはⅠ、aVL、V1〜V4のST上昇を優先してみて下さい。

電極の貼り間違い等があったとしても貫壁性梗塞のST上昇が緊急度が高いので、万が一の時も素早く動けるでしょう。

 
 
 
医療情報科学研究所(編集)

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