酸素解離曲線が右方移動・左方移動する理由と、ヘモグロビン酸素親和力について

酸素解離曲線,右方移動
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前回の記事で酸素解離曲線はヘモグロビンに結合している酸素が解離し組織に酸素を受け渡すことと説明しました。

この結合する力をヘモグロビン−酸素親和力といいます。

ヘモグロビン−酸素親和力が弱くなれば酸素解離曲線は右方移動し、強くなれば左方移動します。

 
 

酸素解離曲線と右方移動の意味

酸素解離曲線の右方移動の意味とは、組織に酸素が足りない状態の時ヘモグロビンと酸素の結合力を弱くすることで組織に酸素を置いてき易い様にしている体の反応であるという事です。

では具体的にどんな時に酸素解離曲線は右方移動するでしょうか。

 
 

右方移動する理由

酸素解離曲線が右方移動する理由は、大きく分けて4つあります。

①アシドーシスに傾いた時
②PaCO2が上昇・BEが低下した時
③体温が上昇している時
④エネルギーの消費量が増大している時

 
 
これらは全て代謝が亢進している時でもあります。

代謝が更新することで組織ではより多くの酸素が必要になり、いつもの様に運ばれてくる酸素だけでは足らなくなるのです。
 
 

正常と右方移動の違い

酸素解離曲線の正常曲線

酸素解離曲線,右方移動
まず、正常曲線を見て見ましょう。

この曲線をパッと見ると、SaO2が98%の時、PaO2は100mmHgである事がわかりますよね。

そして動脈血のヘモグロビンが組織へ到着し、酸素を渡して静脈に還る頃にはSO2は75%に低下しています。

正常状態では、23%(98%−75%)の酸素を組織に渡してきたという事がこの図からわかります。
 
 

酸素解離曲線の右方移動曲線

酸素解離曲線,右方移動
代謝や生体反応によってアシドーシスに傾くと、体の組織はいつもよりもたくさんの酸素が必要になります。

言い換えると酸素が足りてない状態です。
 
 
PaO2が100mmHgの時を見てみると、SO2は96mmHgほどで正常よりも少し足りていません。

なのでヘモグロビンはいつもよりも多めに酸素を渡してあげる様になります。

組織が酸素不足にならない様、「与える酸素の量を確保する為に、酸素がヘモグロビンから解離し易くなる反応。」
これが酸素解離反応であり、その値を示したものが酸素解離曲線です。
 
 
図では、酸素の足りていない組織に、いつもより多く36%(96%−60%)の酸素を渡してきたので、組織は酸素不足にならずに済みました。

その証拠に静脈へ還って来た時の酸素は、正常時よりも少なく60%という値になっています。

これが酸素解離曲線の右方移動の考え方です。
 
 

左方移動の注意点

酸素解離曲線,右方移動
左方移動については、右方移動と逆のパターンで移動し、特にアルカローシスに傾いた時には目立って左方移動が見られます。

これはヘモグロビンー酸素親和力が強く、酸素を渡しづらい状態にあるので注意が必要です。
 
 
例えば、今ここにSpO2 98%の患者さんがいたとします。

SpO2 98%ではPaO2 100mmHg程なので安心な感じがしますね。

しかし実はこの患者さんがアルカローシスに傾いていたとするとどうでしょう?

見かけ上のSpO2は高くても酸素解離曲線は左方移動しているので、実際のPaO2は60mmHgしかない事態が起こりえます。
 
 
これはサチュレーションモニターが故障しているワケではありません。

アルカローシスがある場合にはSpO2を見ただけで安心してはいけないのです。

何かがおかしいと感じたら、血ガスを採り、pHもしっかり確認しましょう。

 
 

最後に

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