酸素解離曲線が右方移動・左方移動する理由と、ヘモグロビン酸素親和力について

酸素解離曲線,右方移動,左方移動
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前回の記事で酸素解離曲線はヘモグロビンに結合している酸素が解離し組織に酸素を受け渡すことと説明しました。

この結合する力をヘモグロビン−酸素親和力といいます。

ヘモグロビン−酸素親和力が弱くなれば酸素解離曲線は右方移動し、強くなれば左方移動します。

 
 
つまり酸素解離曲線の右方移動の意味とは組織に酸素が足りない状態の時ヘモグロビンと酸素の結合力を弱くすることで組織に酸素を置いてき易い様にしている体の反応であるという事です。

では具体的にどんな時に酸素解離曲線は右方移動するでしょうか。
 
 

右方移動は大きく4つに分けられます

①アシドーシスに傾いた時
②PaCO2が上昇・BEが低下した時
③体温が上昇している時
④エネルギーの消費量が増大している時
 
 
これらは全て代謝が亢進している時でもあります。

代謝が更新することで組織では酸素が必要になり、いつもの様に運ばれてくる酸素だけでは足らなくなるのです。
 
 

右方移動のメリット

次に酸素解離曲線が右方移動することのメリットを考えましょう。

酸素解離曲線,右方移動,左方移動
上の図を見て下さい。

黒線は正常な状態の酸素解離曲線でSaO2 100%の酸素を25%置いてきて、静脈に返ってきた時には75%になっています。

これが赤線に右方移動すると、100%だった酸素が静脈に返った時には60%になっています。

つまりヘモグロビン−酸素親和力を弱くし酸素を置いてきやすい状態にしたことで、40%の酸素を置いてくる事ができたのです。

この様に多くの酸素が必要な時に、多めに酸素を渡してあげることが出来る点が右方移動のメリットといえます。
 
 

左方移動の注意点

左方移動については、右方移動と逆のパターンで移動し、特にアルカローシスに傾いた時には目立って左方移動が見られます。

これは酸素を置いてきづらい状態にあるので注意が必要です。
 
 
 
例えば、今ここにSpO2 98%の患者さんがいたとします。

SpO2 98%ではPaO2 100mmHg程なので安心な感じがしますね。

しかしこの患者さんがアルカローシスに傾いていたとするとどうでしょう。

見かけ上のSpO2は高くても酸素解離曲線は左方移動しているので、実際のPaO2は60mmHgしかない事態が起こりえます(青線)。
 
 
これはサチュレーションモニターが故障しているワケではありません。

アルカローシスがある場合にはSpO2を見ただけで安心してはいけないのです。

何かがおかしいと感じたら、血ガスを採り、pHもしっかり確認しましょう。
 
 

最後に

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