ICUにおいて急性期・周術期における血液浄化療法であるCHDFを管理する機会は多いと思います。
CHDFを施行されている患者さんはどういった事に注目して看護・管理すればよいのでしょう。
ただ記録的に「見る」のではなく、理由を持って「観る」事が大切です。
まずは患者さんを観てあげて!
1.血圧
開始時・終了時は特に循環が崩れやすいですので、事前に対処法を意医師に確認しておきましょう。
2.心拍数
除水量が多くなり、水分マイナスバランスに傾いていくと心拍数が上昇します。
頻脈が続くと患者さんは辛いので、除水量の変更を考慮します。
3.CVP
輸液に対して除水が足りず、水分プラスバランスに傾くと、CVPが上昇します。
水が溜まり呼吸に影響が出るとSpO2の低下も招く場合もあるので、除水量の増量を考慮しましょう。
4.体温
CHDF施行中、患者さんの血液は血液回路によって体外へと導かれます。
その結果、血液は大気温にさらされ体温の低下を招きます。機械の加温機がONになっているか確認しましょう。
次に血液回路に注目!
1.出血
血液回路とブラッドアクセスの接続が確実になされているかを確認します。
三活の向きやキャップも確認しましょう。
2.血栓
CHDF施行中、特に血栓のできやすい場所は、ピロー・Aチャンバ・ダイアライザー(フィルター)・Vチャンバです。
特にVチャンバにできた血栓は患者さんの体内に送られてしまうと肺動脈塞栓を招く危険があるので、CHDFの早期の終了・再導入を考慮します。
3.ヘパリン
血栓の予防のためにヘパリンを持続投与します。
ヘパリンラインが逆血していないか確認しましょう。
併せてACTの測定も行い、凝血の傾向を観察しておきましょう。
慣れた頃には装置も!
1.脱血圧(入口圧)
脱血圧が安定していないと脱血不良を起こし、ポンプが停止してしまいます。
頻回に脱血不良が起こるようなら脱血量を下げる・送脱血部位の変更・CHDFの終了 を考慮します。
2.TMP
膜間圧力差の事を言います。
これは中空糸の中と外の圧力の差です。
長時間のCHDFで中空糸の孔に微小な血栓ができてくるとTMPが上昇します。
この場合もCHDFの終了を考慮します。
3.送血圧(返血圧)
返血圧が高いのはVチャンバに血栓が形成された・送血カニューレの先当たりが考えられます。
前者の場合はCHDFの終了、後者の場合は送血部位の確認やカニューレ位置の調整、患者さんの姿勢の調整を行います。
4.モード
同じ機械でもモードと回路・膜を変更するだけでCHDF・CHD・CHF・PE・DFPPなど様々な治療を施行することが出来ます。
今行われている治療とモードの設定は正しいか、初めにしっかり確認しておきましょう。
CHDF・CHD・CHFの違いについてはコチラから
5.画面表示
正常駆動しているかを確認しましょう。
見慣れない表示や異常値、エラーメッセージが出ていたらすぐに医師または臨床工学技士に連絡を。
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