第25回(2021年)呼吸療法認定士の試験日が近くなってきましたね!
呼吸療法認定士試験の合格率は毎年60〜65%の合格率で維持されており、およそ3000人もの新たな呼吸療法認定士が誕生しています。
私も呼吸療法認定士として呼吸ケアチームで仕事をしているおり、色んな職種の方から試験についての質問を受けることがあります。
そこで今回は呼吸療法認定士試験の合格率や難易度・合格ラインについて考察してみたいと思います。
目次
呼吸療法認定士とは
正式には3学会合同呼吸療法認定士と言います。
医療機関において、酸素療法や呼吸療法など患者さんの呼吸管理を行うために知識・技術を習得し、レベルの向上を図る事などを目的とした認定資格です。
3学会合同呼吸療法認定士認定制度では、臨床工学技士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士のいずれかの医療資格を持ち、実務業務経験年数などの条件を満たした者にのみ受験を認めています。
ちなみに「3学会」とは、
①一般社団法人 日本胸部外科学会
②一般社団法人 日本呼吸器学会
③公益社団法人 日本麻酔科学会
のことを指します。
どれもが日本を代表する団体(法人)であり、3学合同呼吸療法認定士はこれらが認定している資格なので、いかに専門性の高い資格かわかるかと思います。
最近では特に呼吸ケアに強い医療スタッフの増員が求められています。
患者さんのため、そして自分のためにも是非多くの方に呼吸療法認定士を目指して欲しいと思います。
全体と職種別の合格率
呼吸療法認定士の合格率をとりあえず5年分、職種別に並べてみます。
第20回(2015年)
全体 :63.6%
臨床工学技士:68.5%
看護師 :57.9%
准看護師 :23.1%
理学療法士 :68.8%
作業療法士 :60.7%
第21回(2016年)
全体 :58.9%
臨床工学技士:70.4%
看護師 :52.8%
准看護師 :16.0%
理学療法士 :63.3%
作業療法士 :50.4%
第22回(2017年)
全体 :65.7%
臨床工学技士:78.1%
看護師 :60.9%
准看護師 :32.5%
理学療法士 :67.8%
作業療法士 :62.6%
第23回(2018年)
全体 :63.9%
臨床工学技士:76.6%
看護師 :61.0%
准看護師 :30.3%
理学療法士 :65.6%
作業療法士 :55.6%
第24回(2019年)
全体 :67.2%
臨床工学技士:81.0%
看護師 :65.4%
准看護師 :39.4%
理学療法士 :67.2%
作業療法士 :61.2%
これを見ると、
・臨床工学技士70〜80%、
・看護師60〜65%、
・准看護師20〜40%、
・理学療法士65〜70%、
・作業療法士50〜70%、
といった具合ですね。
全体では毎年60〜65%の合格率となっています。
グラフでまとめるとこの様な推移をしています。
直近ではどの職種においても合格率が上がっていますね。
理由としては、
①医療スタッフ全体の臨床レベルの上昇、
②再現過去問題集や参考書などが各社から販売され、試験勉強を行う環境が充実してきた事、
③ツイッターなどSNSを駆使して、情報交換(収集)が容易になった事
などが考えられます。
試験の難易度と合格ライン
呼吸療法認定試験は午前70問、午後70問の合計140問です。
試験の難易度はあまりに難しすぎると受験者が減っていき、これは委員会にとっても望ましくありません。
なので毎年同じくらいの合格率になるように委員会が調節しているようです。
実際は7割程度の正答率で合格ラインに達することができると考えていいでしょう。
140問の7割と言うと98問になります。
140問のうち約40問は間違えていもいいと考えると、今はまだ自信がない方でも希望が持てる気がしませんか?
※あくまで推察です。
試験の勉強法
別の記事にも書きましたが、呼吸療法認定試験の勉強法はとにかく多くの問題を繰り返し解き、問題に慣れることです。
呼吸療法認定試験の問題集はたくさんあります。
アステッキであれ、青本であれ、とにかく問題を解く練習をしてみてください。
ただし問題文や解答を丸覚えしてしまうのは効率が悪く、実際の試験でもなかなか正答を選べません。
必ず認定講習会テキストとセットで勉強してください。
またどうしても理解できない内容は同じ職場の呼吸療法認定士に聞いてみたらいいと思います。
聞きやすい人がいないなら、私にコメント、DMくれて構いません。
多くの、そして多職種の呼吸療法認定士の誕生を願っています。
最後に、3学会合同呼吸療法認定士の受験は手続きが複雑で、最初の申し込みから合格発表までは約1年かかります。
コチラの記事に呼吸療法認定士のスケジュール表と申し込み手順を細かく記載しましたので、是非参考にしてみてください。
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