呼吸療法認定士(正式名称:3学会合同呼吸療法認定士)は学会が定める認定資格です。
コメディカルにとってスキルアップのきっかけにもなる人気の高い資格ですが、申し込みをしてから合格発表までにかかる期間は約1年程度かかりますし、料金もそこそこかかります。
さらに呼吸療法認定士の試験範囲はかなり広く、しっかり予定をたてて勉強していかなければ合格は難しいです。
そこで今回、呼吸療法認定士の資格取得までの日程や手順などをまとめておくのでスケジュール管理の参考にしてみて下さい。
※この記事は第26回 3学会合同呼吸療法認定士認定講習会及び認定試験について説明・スケジュール表の作成をしています。
実際の日程は予期せず変更となったり、年代によって少しずつ変わっていく場合もありますので、必ず公式サイトで手順と日程を確認して下さい。
目次
全体の流れ
呼吸療法認定士の認定試験を受ける為には、まずは委員会が主催する「認定講習会」を受講する必要があります。
その認定講習会の受講を申し込む為には、実務経験や学会や地方の講習会・セミナーで獲得するポイントを貯めなければなりません。
いきなりちょっと複雑ですよね。
まずはあなたが呼吸療法認定士の資格取得を目指そうと思い立ったその日から、合格発表が行われる日までの流れを簡単にまとめます。
・呼吸療法認定士の資格取得を志す。
・認定講習会と認定試験を申し込む為の条件を満たす。
・認定講習会と認定試験の申し込みを行う。
・認定講習会を受講する。
・認定試験を受験する。
・合格発表
この様な流れとなります。
表でまとめるとこんな感じです。
矢印で示している勉強期間①②③は、勉強のスタートを切るいいタイミングですので、なるべく早めに勉強を始めることができればそれだけ合格率が上がります。
ではこの表に従って以下により詳しく手順をまとめていきます。
認定講習会の受講を申し込む為の条件を満たす
呼吸療法認定士は誰でも目指せるものではありません。
現在の制度で呼吸療法認定士を目指せるのは、臨床工学技士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士の5職種の方たちです。
認定講習会の受講を申し込む為には以下の条件を満たさなければなりません。
条件① 各職種の免許及びそれぞれに定められた実務経験を有すること。
条件② 認定講習会の受講申し込み書類提出した日から過去5年以内に、認定委員会が認める学会や講習会(セミナーなど)に出席し、12.5ポイント以上を取得しておくこと
認定委員会が認める学会や講習会(セミナー)とは、例えば地方で行われる「人工呼吸セミナー」や「呼吸ケアカンファレンス」などが該当します。
おそらくそのセミナーのチラシの下の方に「このセミナーに参加することで、呼吸療法認定士 認定講習会受講申請に必要な点数が、◯◯点与えられます。」
などの但し書きがされていると思います。
わからない場合は呼吸療法認定委員会のホームページでも確認することが出来ます。
通常1〜2回の参加で必要な12.5ポイントをクリアできることが多いです。
では次から呼吸療法認定士の申し込みから合格発表までの日程と手順を詳しく解説します。
【2月中旬】Email登録を行う
呼吸療法認定士の委員会ホームページから、認定講習会と認定試験の申請書類をダウンロードする為のメールアドレスの登録を行います。
この登録を行うと、委員会から「第◯◯回3学会合同呼吸療法認定士【受講】Email登録完了」のメールが自動返信されてきます。
そのメールの中には認定講習会と認定試験の申請を行う為の書類作成フォームが添付されているます。
【2月〜3月】認定講習会と認定試験の申請に必要な書類を作成する
メールアドレスの登録が完了したら、自動返信されてきたメールを開いて書類作成フォームにアクセスし指示項目を入力していきます。
入力が完了するとダウンロード書類①②③がダウンロードできる様になるので、全てA4サイズに印刷し、①認定審査申請書に署名と捺印をします。
印刷した②実務経験証明書には認定講習会の受講を申し込む為の条件だった自分の実務経験年数を証明するために、職場の代表(証明者)にハンコを押してもらわなければなりません。
職場の規模にもよるとは思いますが、この代表のハンコをGETするのにかなり時間がかかる場合があります。
かつて私の勤めていた病院では2週間近くかかりました。
あんまりモタモタしていると申請書類提出の受付期間が過ぎてしまうので注意して下さい。
早め早めに取り掛かり、必要な書類は揃えておくのが良いと思います。
【4月中旬】作成した申請書類を委員会へ提出する
4月中旬から申請書類の受付が始まります。
作成した書類を郵便局に持っていき委員会へ送付しましょう。
申請書類は必ず期間内に「特定記録郵便」で送付するようにして下さい。
期間外や普通郵便などで提出してしまった場合は、受取拒否となってしまうので注意が必要です。
現在、呼吸療法認定士の認定講習会の定員は3000名となっています。
定員を超えた場合は抽選となる様です。
以前は提出順で朝早くから郵便局の前に並んだものですが今は違う様なので、密を避けて提出する様にして下さいね。
この様に昔から呼吸療法認定士の資格は人気が高く、毎年多くの方が受験をされるので定員を割ることは稀です。
定員オーバーとなった場合はその旨をホームページに掲載される様なので、よくチェックしておいて下さい。
・特定記録郵便での申請書類郵送代:244円
【5月下旬】審査結果が通知される。
提出した申請書類は、認定講習会と認定試験を受ける為の条件を満たしているか、不備はないか、などが認定委員会によって審査されます。
審査が通ると登録したメールアドレス宛に審査結果を知らせるメールが届きます。
定員の抽選にも当選した場合、認定講習会と認定試験の受付が行えるようになるのでこれらの手続きを行います。
認定講習会と認定試験の手続きは同時申込となり、締め切りは6月中旬になる予定です。
・認定講習会 受講料:20,000円(テキスト代を含む)
・認定試験 受験料:10,000円
【8月上旬】認定講習会テキストが送られてくる
認定講習会の受講料と認定試験の受験料の振り込みをすると、8月上旬に認定講習会テキストが送られてきます。
初めはこのテキストのページ数の多さ、講習会と試験の範囲の広さに驚かれると思います。
認定講習会の開講期間は9月中旬からですが、認定試験は11月(予定)です。
以前は8月中旬に会場参加型の講習会があり、11月に試験があったので勉強期間は3ヶ月ほどありました。
しかし現在はeラーニング講習会が10月ごろに行われ、試験は11月予定ですので圧倒的に勉強期間が少なくなっています。
勉強のスタートが遅れると試験までに追いつけません。
講習会テキストが送られてきたらすぐに勉強を行えるように体制を整えておきましょう。
出来れば5月下旬に審査通知が届いた時点で各社から販売されている再現問題集を解きはじめておいても良いと思います。
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【9月〜10月】認定講習会を受講する
2020年から認定講習会は密を避けるため、ネットでのeラーニング形式で行われる様になりました。
先に送られてきた認定講習会テキストに則した内容で講義が行われるので、受講までにこのテキストをよく読み込んでおいて下さい。
講義は1科目約60分〜80分程度です。
定められた期間中にeラーニングの全課程を受講しないと受験資格は得られないので注意して下さい。
【10月下旬】受験票が送付されてくる
期間内に認定講習会を全て受講すると、10月下旬に認定試験の受験票が送られてきます。
当然ですがeラーニングの講義を全て視聴していないと、受講完了とは認められないので不正行為はないように注意して下さい。
試験会場は東京都内で行われる予定です。
会場への集合時間は10:00〜なので、地方から受験しに来られる方は事前にホテルを予約しておく必要があります。
地方からの受験者は非常に多いので近場のホテルはあっという間に埋まってしまう可能性があります。
試験の日程や会場の詳細は審査結果通知にてお知らせされる予定ですので、詳細がわかった段階で予約だけでも早めにしておくのが得策です。
【11月】認定試験を受験する
現在の予定では試験は11月に行われる予定です。
午前午後70問ずつ、合計140問のマークシート方式で行われます。
試験の範囲はeラーニングによる認定講習会での講義、テキストの内容を含む呼吸療法に関する業務全般とかなり広いです。
ですがこの試験は「落とすための試験」ではないので、認定講習会テキストやe-ラーニングの内容、再現問題集などを使ってしっかり勉強しておけば全く初見の問題に出くわすことは少ないと思います。
自信を持って試験に望んでください。
状況によっては試験の延期、試験方法の変更などの対応がとられる場合がありますので、委員会のホームページをよく確認しておいて下さい。
・試験会場(東京都)までの往復交通費:
・東京前のりホテル代:
・昼食代:
など
【12月】試験結果通知
試験結果は毎年12月下旬に通知されます。
呼吸療法認定士の試験範囲はとても広く、試験の出来によってはかなり不安な気持ちで待たれる方もおられると思います。
しかしこの試験の合格率は毎年60〜66%ですので、普通に勉強していれば約6〜7割の人は合格できるんです。
自信を持って下さい。
あなたにとって合格通知が素敵なクリスマスプレゼントになりますように。
その後
試験に合格すると、認定登録手続きを行える様になります。
これを行うと、3学会合同呼吸療法認定士として認定されます。
私は後輩にはよく言っているのですが、呼吸療法認定士は試験に合格し認定されたらゴールなのではなくて、合格してからがスタートなのです。
試験を突破すると以前よりも自分に自信がつきますよね。
「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、これをキッカケにさらに多くの知識や技術を身につけ成長していって欲しいと思います。
続いては、呼吸療法認定士の勉強法について紹介しますので参考にしてみてください。
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