心電図用語である「ストレインパターン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ストレインパターンは心室肥大に伴う負荷の所見を表す言葉ですが、これについて詳しく書いてある教科書はなぜかあまりありません。
今回は心電図のストレインパターンについて解説します。
目次
ストレインパターンとは
まずはじめに「ストレイン」とは何なのか。
Google先生によると、
-strain【意味】(ぴんと)張る,引っ張る,曲げる
といった意味があるようです。
また別のページには、「物体に加わった力(ストレス)が変化を生じさせ、その変化量の事をひずみ(ストレイン)と呼ぶ 」
と書いてあります。
私の知っている本で、唯一ストレインパターンを定義している教科書によると、ストレインパターンとは【心室への負荷増大に伴うST-T変化と再分極異常を有する初見】
と書いてあります。
…が、なんだか分かりにくい表現ですよね。
そこで私から伝えたい事は、【ストレインパターンは文字通りパターン(形)で覚える】です。
ストレインパターンの形
ストレインパターンの形は、左室肥大でみられるST下降を伴うT波の陰転化です。
前半部分はなだらかに上に凸のST下降、そして後半部分が急峻な非対称性の波形が特徴です。
この様な波形を見つけたらストレインパターンと認識し、心室肥大を疑ってください。
なお、ストレインパターンでは左室の肥大が圧倒的に多く、胸部誘導ではV4〜V6誘導で観察される事が多いです。
肢誘導ではQRS波高の最も高い誘導にST—T変化が観察されます。
右室のストレインパターン
ストレインパターンを示す心室肥大は左室に起こり易いと説明しましたが、右室にも起こることはあります。
その場合はV1〜V3にかけてストレインパターンを示します。
最後にストレインパターンについて定義してあった教科書を紹介しておきます。
興味があったら読んでみてください。
すごくよくわかりました!
良かったです(^^)!