【看護】小児に対するCHDFの注意点

小児のCHDFの注意点
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集中治療室で勤務していると、小児に対するCHDFの看護・管理の担当に就く事もあると思います。

小児のCHDFは成人と比べ施行すること自体が難しく、危険もたくさん伴います。

当院でも小児に対するCHDFはそもそも機会が少なく、スタッフが慣れていない中で行う治療は気の休まる暇もありません。

そこで今回小児に対するCHDFを何例か経験した私が考える、小児に対するCHDFを行う上で特に気をつけて欲しい注意点をまとめてみました。

プライミング時の注意点

プライミングボリュームと血液置換

小児に対して血液浄化を施行する際、プライミングボリュームは循環血液量の10%以内にすることが望ましいとされています。

これは小児は循環血液量が少ないため、大量の血液を体外に出すと容易に血圧低下やショックを起こす危険があるからです。

また、プライミングボリューム過多で血液希釈率が高くなることも許容出来ません。

小児のCHDFの際のヘモダイアフィルター

写真は新生児用の持続緩徐式血液濾過器(UTフィルター)です。

添付文章上では、膜面積は0.1m2、膜だけのプライミングボリューム(血液充填量)は10mlと記されています。
 
 
小児用CHDF回路のプライミングボリュームは最小のダイアライザーと組み合わせても50〜60mL程度になり、例えば体重3kgの患児だと循環血液量の10%は24mL程度で全く足りません。

そこで対応策として、プライミングボリュームが循環血液量の10%を超えてしまう場合は、回路内にあるプライミング液(生食)をRBCやアルブミン等で置換しましょう。

回路内のプライミング液を血液に入れ替えてからCHDFの導入を行うことで、次項に示すイニシャルドロップを軽減することができます。
 
 

開始時の注意点

イニシャルドロップ

イニシャルドロップとは体外循環開始時の初期血圧降下のことを言います。

原因は血液の希釈や、回路という異物との接触による血管拡張などがあります。

本来イニシャルドロップとは人工心肺の開始時に起こる事象とされていますが、血液浄化でも起こります。

イニシャルドロップについての詳しい説明や原理は、コチラの記事を参考にしてみて下さい。

前述した通り体外循環開始時のイニシャルドロップは、プライミング液を血液等で入れ替えて行う血液プライミングを行うことで抑える事ができます。

小児のCHDF開始時には何があっても大丈夫な万全の体制でお願いします。
 
 

血液流量

小児に対するCHDFを施行する際、血液の浄化効率の観点から血液流量は少なくとも1mL/kg/min以上が必要とされています。
(※3kgの体重の児の場合、3mL/minなど)

しかし上記の例の様に3mL/min程度の血液流量では、回路内で血液が滞留してしまい血栓が出来てしまいます。

回路内の凝血を防ぐためには設定の絶対値としては、最低でも20mL/min以上は欲しいところです。

ところが血液流量が上がると脱血不良が起きたり、血圧が不安定になったりと治療や看護がとても難しくもなります。

一概にどの設定が一番良いとは言えませんが、小児に対するCHDFでは抗凝固薬の適切な使用と血液流量の絶妙な調整が求められます。
 
 

施行中の注意点

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低体温

小児は成人と比べて、CHDF施行中に低体温になりやすいと思っていて下さい。

それは血液流量が少ないために、血液が回路を介して外気にさらされる時間が必然的に長いからです。

私の経験上、加温器により透析液の保温をしていても気休め程度にしかならなかった経験があります。
 
 
低体温になると患児は頻脈傾向隣、血圧が低下することも考えられます。

また低体温となることで、特に術後など感染もしやすくなるので注意が必要です。

対策としては、透析液の保温はもちろんのこと、患者のウォーミングや送血回路のウォーミングを行います。

場合によっては、集中治療室の個室のエアコンの設定温度も上昇させます。
 
 

ブラッドアクセス

CHDFを施行する上で、患者の血管と装置の血液回路を繋ぐのに必要不可欠なのがブラッドアクセスです。

小児の特徴として当然理解していると思いますが、小児の血管は未発達のため、とても小さく細いです。

ちょっとした身体の向きや、呼吸性の変動によって簡単に脱血不良や返血の先当たりが起こります。

小児のCHDFをする時は特に、入口圧下限アラーム(脱血不良)、返血圧上限アラーム(先当たり)に注意です。
 
 

鎮静

これがある意味1番難しいかも知れません。

覚醒中の小児に「治療しているから動かないでね」と言っても無理な話です。

小児は動いてしまうものです。

そして動いてしまうと脱血不良が起こり得ます。

そこでセデーションをかけるのですが、鎮静が深くなってしまうと血圧低下や呼吸抑制のため、血液浄化自体が施行困難となってしまいます。

小児のCHDFでは必要最低限ギリギリの鎮静が求められます。
 
 

亀井 宏一(監修),伊藤 秀一(監修)
 
 
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