IABPの導入は、患者さんが心不全に陥り循環動態が崩れかけている場合に行うことがほとんどですので、速やかな導入が求められます。
そのためには医師、看護師、臨床工学技士の連携が必要であり、
それぞれが共通の認識を持って臨むことが重要です。
目次
バルーンサイズの決定
IABPのバルーンには30cc、35cc、40ccのサイズがあり、患者さんの身長でサイズを決定します。
身長155cm以下の小柄な患者さんには30cc、
身長155〜165cmの患者さんには35cc、
身長165cm以上の患者さんには40ccのバルーンを選択します。
バルーンの挿入
バルーンは大腿動脈からシースを使って挿入します。
まず大腿動脈に穿刺をし、ガイドワイヤーを挿入します。
次に穿刺針を抜き、ダイレーターで穿刺部を広げたらシースを挿入します。
ガイドワイヤーを抜き、バルーンを挿入します。
位置の決定
バルーンが挿入されたらレントゲン撮影を行います。
通常、IABPの至適留置部位は、「バルーン先端部が左鎖骨下動脈の2cm下にくる位置」とされています。
バルーンの先端部は不透過となっているので、レントゲンやX線透視によって確認が可能です。
位置が決まったらIABPが駆動中にズレないように皮膚に固定します。
IABP開始前の準備
IABPの駆動は心電図または動脈圧をトリガーして行います。
そのためにIABP用の心電図と動脈圧ラインを確保します。
動脈圧ラインはバルーンの内部を通り、先端に開口しているので、バルーン先端部の圧を測ることが出来ます。
IABPスタート
全ての準備が整ったらバルーンの充填を行い、IABPの駆動を開始します。
はじめは心電図トリガーで駆動します。 バルーンの拡張は動脈圧ライン波形のディスロティックノッチ(重複切痕)の部分に合わせます。 収縮のタイミングは心拡張末期圧が最低値を示すところですが、わかりにくい場合は心電図のP波の終わりに合わせます。 タイミングを調整する場合はIABP間隔を1:2にすると、調節が容易になります。
IABP収縮拡張のタイミングを微調整します。
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