【PCPSの適応】各ガイドラインより抜粋

PCPS,適応

 
こんにちは。最近YouTubeで解説動画の配信を始めた臨床工学技士の岡井です。

先日の動画で紹介したPCPS(VA-ECMO)の適応について、

ブログでも紹介しておこうと思います。

YouTubeでは触れていないPCPSの適応外についても解説していますので

よかったら参考にしてみてください。

PCPSの適応

まずは始めに説明しておきたいのですが、

PCPSの適応は各ガイドラインによって様々です。

自分の施設での適応と導入基準について確認しておくのが一番確実です。

以下に日本でよく参考にされているPCPSのガイドラインを紹介します。
 
 
 

日本循環器学会 急性心不全治療ガイドライン

このガイドラインによると、

①心停止状態
②心原性ショック状態での心肺蘇生
③難治性心不全での呼吸循環補助
④開心術後低拍出状態
⑤薬剤抵抗性難治性不整脈
⑥重症呼吸不全

が明記されています。
 
 

日本集中治療学会

続いて日本救急医学会の用語集を覗いてみると、

①心筋梗塞や心筋炎など、IABP施行下でも心係数が1.5L/min/m2以下
②難治性で繰り返す心室細動や心室頻拍患者
③急性冠症候群の冠動脈形成までのサポートやブリッジ
④急性肺血栓塞栓症によるショック
⑤偶発性低体温による循環不全
⑥心肺停止蘇生例

と書かれていますね。

やはり救命救急領域らしく、心筋梗塞や低体温関連の項目も含まれています。
 
 

ELSO General Guidelines

ELSO(エルソ)という国際的なガイドラインでは要約すると以下の様に書かれています。

①心原性ショック
② ①の原因としての心筋梗塞、心筋炎、周産期心筋症、非代償性慢性心不全、心臓切開術後ショック
③敗血症性ショック

YouTubeでも分かりやすく解説しているので、こちらも見てみてください。
 
 
【PCPSの適応:3:20〜】
 ※音量に注意

PCPSの導入基準

先に述べた様にPCPSの適応は各ガイドラインによって様々です。

導入基準についても各施設で異なると思います。

日本循環器学会の急性心不全治療ガイドラインでは次の項目をPCPS導入の基準の目安として

提示しているので、参考にしてみてください。

①NYHA心機能分類Class Ⅳ
②収縮期血圧90mmHg以下
③心係数 2.0L/min/m2以下
④肺動脈楔入圧 20mmHg以上

PCPSの適応外例(相対的・絶対的禁忌)

 
ガイドラインに沿ったPCPSの導入基準に当てはまっていても、

以下の様な状況ではPCPSの導入を慎重に検討しなければなりません。

①非可逆性脳障害
②大動脈解離
③止血困難な進行性出血
④悪性疾患の末期状態
⑤DIC
⑥超高齢患者

これらの疾患ではPCPSの導入により病状が悪化、

または極めて予後が不良な結果が予想される為、導入が懸念されます。

PCPSは高額な医療費がかかり、ICU入室期間も長引く為、

慎重に行わなければなりません。
 
 

讃井將満 (編集), 内野滋彦 (編集), 林 淑朗 (編集), 真弓俊彦 (編集), 武居哲洋 (編集), & 2 その他

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