Impellaと、IABP・ECMO(PCPS)との違い

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Impellaは最近日本でも登場した新しい補助循環装置です。

今まで補助循環装置と言えばIABPやECMO(PCPS)のイメージがあったと思いますが、Impellaはこれらの補助循環装置と何が違うのでしょう?

Impellaと他の補助循環装置との違いについて考えてみます。

Impellaの原理と効果(おさらい)

Impellaは、カテーテル式軸流ポンプを左心室—大動脈間に留置します。

Impellaの血液吸入口は左心室側、吐出部は大動脈側です。

この様に留置することで、左心室の血液を直接大動脈側へと送り出せる様になり、左室圧容量負荷を軽減します。

その結果、左心室は仕事が楽になるので心筋酸素消費量が軽減すると考えられています。
 
 

ImpellaとIABPとの違い

IABPの原理と効果

IABPの原理は、

①心収縮期にバルーンを収縮させる事で、左室圧負荷を減少させ心筋酸素消費量を低下させる。
②心拡張期にバルーンを拡張させる事で、冠血流量を増加させ心筋酸素供給量を増加させる。

ですね。

Impellaも原理は異なりますが、心筋酸素消費量を低下させ、心筋酸素供給量を増加させると言う点では同じです。
 
 

ImpellaとIABPの循環補助率

ImpellaとIABPの違いは循環補助率にあります。

IABPの循環補助率は約20〜30%ですが、Impellaは上手く稼動すれば80%以上の循環補助も可能となります。

これがIABPとImpellaの違いになります。
 
 
またImpellaとECMOの併用を行うことはありますが、ImpellaとIABPの併用を行うことはほとんどの場合でありません。

それは、原理は違っても効果が同じであるからです。

ちなみにIABPかImpella、どちらを導入しても30日死亡率に差はなかったとの報告もあります。
(Impella 2.5との比較)
 
 

ImpellaとECMO(PCPS)との違い

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ECMO(PCPS)の原理と利点・欠点

ECMO(PCPS)は、右心房から静脈血を脱血して人工肺で酸素化した動脈血を動脈側へ逆行性に送血します。

これにより

①右心系の容量負荷を軽減し、
②肺の機能も補える

という利点があります。

しかし一方で、大腿動脈に送血管が挿入されている場合だと、逆行性に送血した血液は左心室がわずかに拍出した血液の流れと衝突し、これが左室圧負荷の増大となってしまいます。

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これがECMO(PCPS)を行う上での欠点となります。
(出血・感染・人工肺トラブル等の欠点は省きます)
 
 

Impellaの利点・欠点

冒頭で説明した通り、Impellaの原理は経カテーテル的に留置した軸流ポンプが左心室内の血液を直接大動脈内へと吐出する事です。

これによりImpellaでは左室容量負荷を軽減しつつも左室圧負荷が増大しません。

ここがECMOと大きく異なる点です。

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弁に異常がなければうっ血性肺水腫も改善させる可能性があります。

ただし前回の記事でも述べたように、Impellaは位置ズレを起こすと、うまく循環補助ができなくなるので注意が必要です。
 
尚、Impellaには人工肺がなく、自己肺での酸素化・換気能が機能してないと状態を保つことも出来ません。
 
 


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