溶血が急性腎障害を引き起こす工程について

溶血と腎障害

 
前回の投稿で述べましたが、高度の溶血は急性腎障害を招きます。

今回はそのメカニズムを解説したいと思います。

原因と理由を論理的に理解できると、知識は忘れにくいものですので、頑張りましょう。

溶血が腎障害を招くまでの工程

赤血球が壊れる(溶血)

壊れた赤血球からヘモグロビンが漏出する(遊離ヘモグロビン)

ある程度の溶血ならば血中のハプトグロビンが遊離ヘモグロビンを肝臓へと運び、代謝される
しかし高度の溶血であると処理しきれない遊離ヘモグロビンは腎臓へと向かい、糸球体を通過する

糸球体を通過したヘモグロビンは尿細管上皮細胞に取り込まれてヘムとグロビンに分解される

分解されたヘムが尿細管上皮細胞に対し毒性を示し、尿細管の機能障害を引き起こす
 

高度溶血の対策

では、高度な溶血が起こった場合の対策はなにか?

まずは溶血の原因となっている事象を解決します。

その次に、または並行してハプトグロビンを投与しましょう。

ハプトグロビンの処理能力が追いつかないことで、遊離ヘモグロビンが腎臓へ向かうわけですから、

血中ハプトグロビン量を補充しようという考えです。
 

ハプトグロビン製剤の適応

 
1.ヘモグロビン血症
2.ヘモグロビン尿症
 
 

医療情報科学研究所(編集)
 
 
 


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