【呼吸療法認定士の勉強法】暗記ものはイラストでイメージを掴むこと

呼吸療法認定士,勉強法

 
呼吸療法認定士の勉強は進んでいますか?

呼吸療法認定試験の範囲は恐ろしく広く、合格する為にはいかに早く試験対策の勉強に着手するかが鍵となります。

今回は試験範囲でも最初の項目でもある呼吸療法総論から、呼吸療法の歴史について解説したいと思います。

...とは言ったものの、呼吸療法認定講習会テキストがまだ手元に無い方もおられると思います。

そこで今回は評判のアステッキeラーニングテキストを参考にしています。

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呼吸療法総論とは

呼吸療法総論は呼吸療法認定試験の最初の出題テーマです。

この呼吸療法総論には5つのカテゴリーがあり、
・呼吸療法の歴史
・呼吸療法の現状
・公衆衛生と関連法規
・医療従事者としてのありかた
・保険診療について

となっています。

呼吸療法総論の勉強法

呼吸療法総論の勉強法はズバリ「暗記」です。

テキストや問題集を使って重要な部分や頻出用語をとことん暗記します。

しかし、職種や施設によってはテキストに載っていても実際に見たことの無いものもあると思います。

例えば、呼吸療法における「鉄の肺」って何?と聞かれると正確に答えられる人はそんなに多くは居ないでしょう。
 
 
普通に勉強を進めていくと、知らない言葉が出てきてもそれが何なのかを理解できないままテキストに書いてある文字を漠然と覚えてしまいます。

これではあまり記憶として頭に残らないので、図や写真を使って覚えた方が効果的です。

そこで私がアステッキのテキストを読んでみて、ここは図を見て覚えた方がいいなと思った用語を、

イラストを使って紹介します。

ポリオとは

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ポリオ(急性灰白髄炎)とは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、ポリオウイルスによって発生する疾病です。

名前の通り子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、麻痺などを起こすことのある病気です。

主に感染した人の便を介して感染り、手足の筋肉や呼吸筋などに作用して麻痺を生じることがあります。

永続的な後遺症を残すことがあり、特に成人では亡くなる確率も高いものとなっています。

呼吸筋が麻痺してしまうとたちまち呼吸すること自体が困難となります。

1930年〜1950年代まではポリオに対し、「鉄の肺」と呼ばれる人工呼吸器を用いて治療が行われていました。

その後はポリオ生ワクチンにより患者は激減しました。

参照:厚生労働省
参照:感染症情報センター

鉄の肺とは

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「鉄の肺」は患者の首から下を気密タンクに入れ、タンク内を間歇的に陰圧にすることで呼吸を促す人工呼吸器です。

なぜこれで呼吸ができるのかを説明します。

そもそも「息を吸う=吸気」とは横隔膜を伸展させ、胸郭内が陰圧になることで、口や鼻の周りの空気が肺に入り込んでくる事です。

この基本的なメカニズムを体の外で応用したものが鉄の肺です。

タンク内を陰圧にすると患者の胸郭が広げられて吸気がおこり、平圧に戻すと胸郭の弾性によって肺がしぼんで呼気がおこるというものです。

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1928年にアメリカで誕生し1950年まで使用されましたが、
・装置が大掛かりなこと
・頭部意外の全身をタンクが覆うため患者のケアが難しいこと
・陽圧換気による人工呼吸器が普及したこと

などもあり、現在ではほとんど使われていません。

参照:wikipedia/鉄の肺

手動式陽圧人工呼吸装置とは

現在使用されている人工呼吸器のほとんどが陽圧式人工呼吸器です。

「陽圧式」とは挿管チューブやマスクを通して患者の肺に圧をかけて呼吸させるという意味です。

1952年、鉄の肺から取って変わり、ポリオによる呼吸筋麻痺に対する呼吸補助として開発されました。

当時は気管切開を行ってカニューレを挿入後、手動により調節をしていました。

これによってポリオによる死亡率は80%から25%に減少しました。

高気圧酸素療法(HBO)とは

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HBOとはHyperbaric oxygen therapyの略称です。

一見鉄の肺と似ていますが、治療のメカニズムは大きく違います。

大気圧より高い気圧環境の中で酸素を吸入すると、通常の10〜20倍の酸素を体内に取り込むことが出来ます。

体内酸素量の増加により、低酸素状態からの改善や、感染に対する抗菌作用としての効果を得ることが出来ます。

また高気圧を体にかけることで、生体内にできた気体を圧縮・再溶解させることが出来ます。
 
 
1961年にオランダのBrummwlkampがガス壊疽に対してHBOを行ったことが初めてとされています。

日本においても心臓移植で高名な和田教授や榊原教授などのパイオニア達が研究会を立ち上げ、1966年に第1回日本高気圧環境医学会が介されて以降、本格的なHBO治療が行われるようになりました。

カプノメーターとは

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カプノメーターは呼気終末二酸化炭素分圧(PetCO2)を測定するモニタです。
 
 
カプノメーターは呼気終末の二酸化炭素分圧を測定するのですから、例えば換気量が増大すると二酸化炭素は吐出されていくのでPetCO2は正常値(40mmHg)よりも低い値になります。

その他にも気道トラブルの変化、代謝の評価、機器トラブルの評価、心停止と蘇生の評価など様々な情報を得ることが出来ます。

そんなカプノメーターがなぜ好んで使われるのかと言いますと、そのお手軽さにあります。

呼吸器さえ装着されていれば、あとは回路に付け足すだけで簡単に測定することができるのです。

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カプノメーターは1981年にパルスオキシメーターにやや遅れをとって臨床使用が開始されました。

最後に

 
初めにも少しだけ触れましたが、呼吸療法認定試験、呼吸療法総論の勉強法はとにかく暗記することです。

忘れない暗記をする上で大切なことは、いかにイメージを持つかだと思います。

今回の投稿で、ポリオ、鉄の肺、手動式陽圧人工呼吸装置、HBO、カプノメーターについて解説しましたが、イメージはつきましたか?

イメージを持って勉強するのとしないのでは絶対に差がでますよ!




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