皆さんは血ガスを測定した時に、アニオンギャップも計算していますか?
血ガスの結果が代謝性アシドーシスを示していた場合、
なぜ代謝性アシドーシスになっているのかその原因を解明しなければ治療方針は立てられません。
そんなアニオンギャップについて説明します。
アニオンギャップとは
アニオンギャップ【anion gap】は、an-ion(陰イオン)のgap(陽イオンとの差)を意味しています。
血ガスを測定した際、Na+、K+、Cl—、HCO3—などイオン化した電解質の成分も測定してくれます。
これらの電解質を陽イオンと陰イオンに分け、その差が正常値と比べてどうなっているかを調べることで、
代謝性アシドーシスの機序が判明します。
アニオンギャップの正常値は現在7±4mEq/Lとされています。
アニオンギャップの計算
アニオンギャップ=陽イオン−陰イオン
=[Na+]−([Cl−]+[HCO3−])
※K—は正常値でも4.0mEq/Lしかないので、計算では無視します。
※Mg2+やCa2+などの有機酸も計算では無視します。
アニオンギャップを考慮した代謝性アシドーシスの分類
代謝性アシドーシス(アニオンギャップが正常値よりも高い場合)
・乳酸アシドーシス
・糖尿病性ケトアシドーシス
・末期腎不全
・サリチル酸塩中毒
代謝性アシドーシス(アニオンギャップは正常範囲内)
・下痢
・尿細管性アシドーシス
・生食輸液中
・早期腎不全
アルブミンによる影響
血ガスからイオン化電解質を考える場合、アルブミンに注意する必要があります。
というのも、アルブミンは測定されない陰イオンの大部分を占めているからです。
血漿アルブミンの低下はアニオンギャップを減少させるので、
低アルブミン血症を認める場合では「アニオンギャップ補正値」を計算します。
アニオンギャップ補正値=アニオンギャップ+2.5×[4.5−アルブミン濃度(g/dL)]
参考にした資料:
イラスト付きで、小学生でもわかる様な説明でわかりやすく
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