血漿交換の置換液 FFP、アルブミン製剤の使い分けと注意点

血漿交換の置換液 FFP、アルブミン製剤の使い分けと注意点

先日、当院集中治療室にて血漿交換(PE:Plasma Exchange)を施行しました。
今回は置換液に新鮮凍結血漿(FFP:Fresh Frozen Plasma)を使用しましたが、ヒト血清アルブミンで置換することもあります。PEにおける置換液の使い分けについて解説したいと思います。

 
 

FFPで置換する場合

FFPとは新鮮な血液から、遠心分離によって得た血漿成分を凍結したものです。FFPを置換液に選択する場面は下記の通りです。
 
①肝不全を呈する疾患で、血液凝固因子の補充が必要となる場合
 
②血栓性血小板減少性紫斑病(TTP:Thrombocytopenic Purpura)や溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)に対して、血小板活性化抑制因子の補充が必要となる場合
 
③肺胞出血などの臓器内の出血や、敗血症など感染症を合併する症例に対して、凝固因子・正常免疫グロブリンの低下が重篤な病態をきたす可能性がある場合
 
 

ヒト血清アルブミンで置換する場合

自己免疫疾患に対するPEでは病因物質の除去のみが目的となります。よって凝固因子の補充は必要ないので、高価なFFPは使わず、アルブミンを選択します。
 
 

FFP置換の注意点

FFPによる感染症とアレルギーの危険には十分注意しなければなりません。またFFPには保存液としてACD-A液(Acid Citrate Dextrose)、あるいはCPDA液(Citrate Phosphate Dextrose Adenine)といったクエン酸ナトリウムが含まれています。
 
※Citrate:クエン酸
※Dextrose:グルコース
※Phosphate:リン酸
※Adenine:核酸塩基
 
大量にFFPを投与すると血中のカルシウムイオンがキレート結合し、低カルシウム血症の症状を招きます。さらにACDは肝臓で代謝され重炭酸イオンとなるため、代謝性アルカローシスや高ナトリウム血症を引き起こします。FFP投与量に応じてグルコン酸カルシウム(カルチコール)を投与し、補正しなければなりません。
 
 

カルチコールの持続注入

FFP40単位であれば40〜50mL(東京大学ではFFP1単位に対し1mL)を目安に持続注入し、適正イオン化カルシウム値をモニターしましょう。
 
 


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