こんにちは!現役臨床工学技士の岡井です!
臨床工学技士と言う仕事を知っていますか?
臨床工学技士は医療現場で扱われる医療機器に特価した医療のスペシャリストです。
しかしそれだけじゃありません!
臨床工学技士とは何か?どんな資格なのかを総合病院勤務の現役目線で紹介したいと思います。
目次
臨床工学技士とは
臨床工学技士とは、医師の指示のもと人工呼吸器などの生命維持管理装置を扱う事ができる医療機器のスペシャリストです。
現在の病院で取り扱われる医療機器は各分野でどんどん発達してきており、それを専門として扱う職業が必要とされています。
そこで誕生したのが臨床工学技士です。
日本では、
・公益社団法人 日本臨床工学会
・一般社団法人 東京都(などの全国都道府県)臨床工学技士会
・日本臨床工学技士連盟
などの大きな組織があり、日々日本の医療の発展の為に活動しています。
最近ではその活躍も国に認められ、テレビなどで大きく取り上げられる事も増えてきました。
臨床工学技士になるためには
臨床工学技士の教育制度
臨床工学技士になるためには、主に2〜3年制の専門学校、または4年制大学での教育カリキュラムを履修し、臨床工学技士国家試験に合格する必要があります。
試験に合格し臨床工学技士免許証が発行されると、国家資格ですので一生の資格として国に認められる事となります。
養成校に在学中のうちから受験可能な医療機器に関する検定なども開催されており、その専門性はより高くなっています。
臨床工学技士国家試験の合格率
過去5年間の臨床工学技士国家試験の合格率は次のとおりです。
2020年 82.1%
2019年 77.5%
2018年 73.7%
2017年 81.9%
2016年 72.5%
これを見ると毎年7割は超えており、決して難しい試験ではない事がわかると思います。
学校で怠けることなくしっかり勉強すれば、ほとんどの学生が1パツ合格できます。
臨床工学技士の就職先とは
臨床工学技士免許を取得すると、晴れて臨床工学技士として医療現場で仕事をする事となります。
臨床工学技士の就職先は多岐に渡るので、臨床工学技士を目指している学生は今のうちからどの道に進みたいかしっかり考えておきましょう。
総合病院
総合病院には診療科ごとに様々な医療機器があります。
人工呼吸器や人工心肺装置などです。
総合病院に就職したらならそれら全ての経験を積めるチャンスがあるので、臨床工学技士として将来幅広く活躍できます。
たくさんの経験を積んでおくと、別の病院に転職する時も有利です。
総合病院ではオンコール(夜間休日の呼び出し)体制をとっている所が多く負担もありますが、その分時間外手当てがつくのでしっかりお金を稼ぐ事もできます。
小〜中規模の市中病院
総合病院に比べて規模は小さいですが、それでも多くの医療機器がありやりがいは十分あります。
実は個人病院の方が基本給が高いという話もよく聞きます。
また病院としての規模が小さいため、そこで働く臨床工学技士の数も少なく、若いうちから管理職になりやすいという特徴があります。
透析クリニック
透析治療は臨床工学技士のメイン業務の1つです。
透析業務が好きな方でクリニックに就職すると、透析に関してあまたの経験を積む事ができます。
また勤務時間帯がハッキリ決まっているのでプライベートを大切にしたい方にとっても働きやすいかも知れません。
循環器クリニック
最近では循環器のクリニックも増えてきました。
ここでは狭心症・心筋梗塞に対するカテーテル治療やペースメーカー業務などに携わる事ができます。
カテーテル治療はどんどん増えてきているので今後活躍が期待できます。
医療機器メーカー・ディーラー
医療機器を開発・販売するメーカーやディーラーからの求人もあります。
TERUMO(テルモ)やOLYMPUS(オリンパス)など、世界にシェアを誇る医療機器メーカーに就職できるのはすごい事です。
最大手でなくても、お給料に関してはやはりメーカーが一番いいと思います。
臨床工学技士の仕事とは
前の項目でも簡単に述べていますが、臨床工学技士の具体的な仕事についてはコチラの記事に書きました。
各分野・部署別に詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。
臨床工学技士のやりがいとは
仕事をする上でのやりがいは人によるでしょう。
私は総合病院に勤務していますが、そんな私が日々の仕事でやりがいを感じるポイントを紹介します。
患者の治療に関わる
臨床工学技士は医療機器を扱う姿から、どうしても病院の「機械屋さん」の様なイメージを持たれる事が多いです。
しかし実際は臨床医学の勉強も徹底的にやっているので、自分としては機械屋と言うよりも臨床家としてプライドを持って仕事をしています。
でないと医師の指示のもとと言っても患者に繋がれた医療機器の操作なんて恐ろしくて出来ません。
患者の病態や症状を考え、こちらから医師に医療機器の設定変更の提案をすることも多々あります。
この様に、自分も医療チームの一員として患者の治療に介入していく事にもとてもやりがいを感じます。
能力を発揮して、機械の操作を鮮やかに行う
現在の医療現場で扱われている医療機器は本当に発達していて、より高度に、より精密になっていますが、同時により複雑にもなっています。
正直な話、医師・看護師・その他のスタッフだけでは扱いきれないものも多くあるでしょう。
そんな中、皆が困っているその複雑な機器を鮮やかに扱うとスタッフからは称賛の嵐です。
(実際には皆が困る前から予め対処する事が大切なので、誰も困らせません。)
機器の操作がスムーズだと、患者さんの治療計画もスムーズに行えたりします。
人に褒められる為に仕事をしている訳ではありませんが、頼りにされると正直嬉しいという気持ちに嘘は付けません。
これからの医療現場にこそ臨床工学技士が必不可欠な理由
「近い将来、無くなる仕事」というテーマの話をよく耳にしますね。
機械で行える仕事は全てそちらにシフトしていき、将来仕事がなくなるというアレです。
医療業界でも臨床工学技士の仕事が失くなっていくのではないかという話がたまに出ますが、私はこの意見に否定的です。
ロボットが私の代わりに仕事をしてくれたら楽なんですが、そのロボも結局は機械です。
機械というのは思わぬ所でトラブルが生じたり、機能停止してしまう事もあります。
そうなった時、だれがロボを直しますか?患者さんの治療や家族の対応に大忙しの看護師さんや医師にはそんな時間はありません。
必ずどこかで人の手が必要な時が来ます。
AIに仕事が奪われるとも言われていますが、実はAIが搭載された医療機器なんて数年前から現場ではとうに使用されています。
それでもまだAIの方が人間に頼っているのが現状です。
それくらい医療は一筋縄ではいかないのです。
より高度な機械が増えるこれからの医療現場にこそ、医学と工学の知識を持ち合わせた臨床工学技士が必要だと思いますし、その体制はこれからも続いていくと思います。
最後に
ここまで読んで下さってありがとうございます。(^^)
現役臨床工学技士の私が、「臨床工学技士とは」というテーマでお話させて頂きました。
ここに書いてある内容や、それ以外のことでも質問があれば是非コメント下さい!
ツイッター・インスタグラム等、SNSもやっていますので、そちらにDM下さっても構いません。
これを機の臨床工学技士の事をもっと知ってもらえたらと思います。
岡井
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