第7回(2021年度)心電図検定の合格発表がありましたね!
私は今回初めての1級受験で、2022年大吉パワーの運の良さもあり1パツ合格することが出来ました。
Twitterでも多くの方が合格の報告をされていて、喜びを共有できて嬉しく思います。
ただし「合格ヤッター」で終わるのではなくて、次にどうするのかが重要でもあります。
今回は私が1級試験までにやってきたこと、勉強法や対策、参考にしていた教科書などを、覚えている内にこのブログ記事に残しておきます。
今回残念な結果となり来年再トライされる方、2級に合格して次回1級に挑戦される方にとって参考になれば幸いです。
目次
心電図検定1級の合格率
まず、今までの心電図検定1級の難易度を振り返っておきましょう。
1級の合格率は、
第7回(2021年度):54.5%
第6回(2020年度):54.5%
第5回(2019年度):51.2%
第4回(2018年度):57.2%
第3回(2017年度):55.3%
第2回(2016年度):53.4%
となっていますね。
だいたい毎年55%くらいの合格率で、やはり1級はなかなか難易度の高い試験だと感じます。
これは考察ですが、1級を受験される程の方はそれなりに心電図の判読に自信のある方だと思います。
そういった人たちが受験してなお約半分は不合格となってしまうとは、それなりの覚悟を持って検定料を振り込まなければなりません(汗)。
さらにどの級にも当てはまる事の様ですが、心電図検定の問題は年々難しくなってきているという意見をチラホラ耳にします。
が、上記の通り合格率は毎年同じくらいなので、一概にそうだとは言えないのかも知れません。
私も実際に1級を受験してみて、確かに超難問と感じる様な難しい問題もありましたが、逆に簡単すぎる問題もいくつもありましたよ。
第7回(2021年度)試験で実際に出題された過去問については前回の記事で紹介しています。
1級対策の勉強法
ではここから私が実際にやってきた1級対策の勉強法についてお伝えします。
私はこの方法で勉強してなんとか合格することができました。
1級に挑戦する予定の人は参考にしてみてください。
疾患別に心電図の特徴まとめノートを作る
使用した参考書は次の2つです。
・実力心電図 〜「読める」のその先へ〜
・心電図の読み方 パーフェクトマニュアル
まずは皆さん様々な方法でまとめノートを作成していることと思います。
私はこの2冊の参考書を使って疾患別まとめノートを作りました。
そもそも実力心電図が疾患別にまとめられているので、これに沿って勉強していけば自然と綺麗にまとまったノートが完成します。
実力心電図の解説で自分の理解が不十分と感じたり、違うパターンの心電図も見ておきたいなぁと思った時にパーフェクトマニュアルを開きました。
実力心電図をメインに、パーフェクトマニュアルを補足的に活用して勉強を進めていった感じです。
そして自分で苦手だと感じる項目の心電図は、参考書の色んなパターンの波形をコピーして自問自答を繰り返し、その特徴を頭に叩き込みました。
たまに、家族や同僚にランダムに心電図波形を出題してもらい回答するという練習もしていました。
(↑幾つかの参考書のADSしばりの心電図のコピー)
ちなみに2級までの対策として既にまとめノートを作っている人は、それを使ってさらにまとめていくなり、知識を補強するなりしてもいいと思います。
心電図マイスターチャンネルで勉強&練習
言わずとも知れた心電図マイスターチャンネルさんのYouTube動画です。
心電図検定1級では、
・VTかSVTかを鑑別する問題
・VTの起源を探しにいく問題
・ケント束を同定する問題
などが出題されます。
心電図マイスターチャンネルさんの動画ではこれらも含め、心電図検定1級に出題されそうな問題のほとんどが解説されているので、絶対に見ておくべきです。
私のまとめノートにはコチラの動画で解説されている内容もたくさん記載してあります。
またこのチャンネルでは【心電図検定対策1-2級】の問題ドリルも解説付きで、現時点で90問用意されています。
私は試験までに全て3回通りずつは解きました。
特に【1級対策10問ドリル】を解ける様になって自信がついた事は、試験当日の大きな力になったと思います。
discordの2級想定問題集でも練習
前回の記事でも簡単に説明しましたが、discordとはネット上で共通の話題で盛り上がることのできるボイスチャットアプリです。
何名かの心電図に精通した方々が、この心電図検定対策のdiscordを運営されています。
ここでは心電図検定1級〜4級までのレベルに分けられたトークルーム等が用意されていて、情報交換や質疑応答が行われています。
ここで配布されている【心電図検定2級想定問題】と【解答/解説】が本当にいい学びになりました。
(※想定問題集はdiscord外での使用は禁止されています。今回管理人の許可を得てイメージを掲載)
問題は初見では結構難しく、2級レベルを想定された難易度とのことですが、実際は1級レベルでしょ!との声も上がるくらいです。
それくらいの難易度のいい問題集です。
全部で50問の問題1つ1つにかなり濃い解説も用意されているので、1〜2級を受験予定の方は必ずやっておくべきだと思います。
ちなみに私は試験の約1ヶ月くらい前にこの想定問題を解いて6割くらいの正答率でした!
1級受験予定の自分が、(一応)2級の想定レベルの問題を初見で6割は、ハッキリ「やばい!」と思いましたね。
残り1ヶ月、解説をしっかり読み、なぜ間違えたのかを考えつつ必死で勉強してなんとか合格できました。
想定問題作成に関わっておられた皆様、本当にありがとうございました。
Twitterの活用
難問心電図波形で見分け方が分からない時は、Twitterで検索していました。
例として、私の場合は
・AFにCLBBBが合併している波形と
・AFにWPWが合併している波形(Pseudo VT)
の心電図波形の鑑別に正直自信がありませんでした。
参考書を読んでも的確に説明しているものはありません。
もしも実際の試験で、Pseudo VTの波形の問題が出たとします。そして、
次の選択肢の中から正しいものを2つ選べ。
①心房細動
②完全左脚ブロック
③デルタ波
④心室細動
⑤心室頻拍
この様な場面を想像すると、絶対に②と③を鑑別できるようになっておかなければなりませんよね。
そこで試しにTwitterのキーワード検索でCLBBB AFと調べてみると、たくさんの方がPseudo VTとの鑑別方法について解説してくれていました!
ただし、ネットの情報やSNSの書き込みを確認もせずに信頼しきってしまうのは危険な場合もあるので、注意してくださいね。
ネットリテラシーの強化に努めましょう。
またTwitterには検索以外にも、定期的に心電図の問題を出題している方や難易度の高い心電図の鑑別法を紹介している方が居たりします。
面白い語呂合わせや覚え方のツイートにも出会えるかも知れませんので、まだやっていない人は是非始めてみてください。
1級合格の基準
上記までが、わたしが心電図検定1級対策としてやってきた勉強法です。
次に、私が思う1級合格の基準みたいなものを考察してみます。
これが出来たら1級合格!という訳ではないと思いますが、参考程度に読んで頂けたらと思います。
私は試験の10日ほど前に、2級3級対策の公式問題集改めて解き直しました。
公式問題集については、今までは問題の心電図を見て5つの選択肢の中から正解を1つ選べれば良かったのですが、1級レベルではそれだけでは厳しいかも知れません。
1級に挑戦する方は、5つの選択肢の中から正解を選べるのは当然として、正解じゃない選択肢は、なぜ正解じゃないのか理由を明確に答えられるくらいの実力が必要だと思います。
それくらいの準備をしておくべきです。
私の場合は試験10日前の時点では、公式問題集の9割くらいは1つ1つの選択肢を理由を明確にして正解/不正解を見分けられていたと思います。
また、discordで配布された2級想定問題とマイスターチャンネルで紹介されていた心電図検定対策ドリル9回分も同様のやり方で練習しました。
全ての選択肢の正解/不正解の理由を説明できると言う事は、その選択肢にある心電図の特徴はある程度頭に入っていると言う事です。
以上のやり方が功を奏したのかは分かりませんが、ともかく私はこれで1級合格の結果を残せました。
同じ様にほぼ全ての選択肢の正解/不正解の理由を説明できるくらいになっていたら自信を持っていいと思いますよ!
ただしこの方法が癖になってしまうと、全部の選択肢を確かめなければ気持ち悪いと感じてしまう様になってしまいます。
私は実際の試験中も選択肢の中から正解を見つけられても確実に点を取りにいきたくなってしまって、他の選択肢が間違っている理由を探しにいくと言う時間の無駄遣いを犯してしまいました。
今考えればそんなものは50問時終わってからやれば良かったのです。
おかげで私が50問解き終わった時、残り時間は10分を切っていました。
試験では問題を回答するスピードも求められますので、"見ただけで分かる問題"はさっさと回答し次へ進みましょう。
繰り返しますが、1級であっても意外と簡単で即答できる問題はありますからね!
この記事を最後まで読んで頂いてありがとうございました。
今後1級を受験される方、頑張ってください!
皆さんが力を発揮できる様に祈っています!