透析を行っていると様々な合併症や症状が出現します。
今回は透析中に起こる症状や注意点に的を絞って投稿しようと思います。
目次
不均衡症候群
透析導入期の患者さんは血液脳関門の働きにより、頭部の溶質除去効率が体に比べ、遅れてやってきます。
その為、頭部と体との溶質濃度の差により吐き気や頭痛を訴える事があります。
これが不均衡症候群です。
これらの症状が出た場合は医師に相談し透析の効率を下げるか、透析の中断を考慮しましょう。
バイタル変化
透析中はバイタルが変動しやすいです。
開始時や終了時は特に血圧の変化に注意しましょう。
また除水が進むと心拍数は上昇します。
もともと不整脈疾患を抱えている患者さんは、より不整脈が出現しやすくなるので、内服薬の確認も透析前にはしっかりしておかなければなりません。
血栓
血液は異物に触れると凝固する性質があります。
血液回路やダイアライザーは異物なので透析中は常に血栓ができやすい状況にあると言えます。
血栓が血液回路にできてしまうと透析の継続が困難になりますし、ダイアライザーにできてしまうと透析の効率が下がってしまいます。
目視で血栓の形成を確認し、残り時間透析が可能か検討します。
回路内圧の変化からも血栓の形成を予測することが出来ます。
ACTの延長が不足している場合は抗凝固薬の追加投与も考慮しましょう。
出血
透析中は抗凝固薬の影響で出血しやすい状態になっています。
穿刺部はもちろん、手術後ならば創部の確認を30分〜1時間おきにします。
内臓など目に見えない部位の出血は、ACTを測定する際にHbも一緒に測定すれば参考になります。
シャントトラブル
シャントトラブルには、シャントの閉塞、感染などがあります。
シャント音を確認し、「ザーンザーン」と鈍い連続的な音が確認できればシャントの状態に問題はありません。
しかし「キュン、キュン」と高く断続的な音がした場合はシャント狭窄が疑われるので、すぐに医師に相談して下さい。
また、穿刺部などから浸出液が漏れていたり、炎症や膿が確認できる場合も早急に対策が必要となります。
菌の同定の為に採取と消毒をしっかり行いましょう。
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