【解剖と走行】大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)の覚え方

ウィリス動脈輪

大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)は複雑な走行をしていますが、脳動脈瘤の好発部位であり解剖学においてとても大事な血管です。

しかしながら調べても出てくるのは2Dのイラストと説明がほとんどで、模型として市販されているものはあまり多くありません。

これではこの分野で勉強をしている方にとって正確な位置や走行などは、なかなかイメージがつき難いと思います。

今回、久留米大学医学部看護学科解剖学領域 嵯峨堅教授より3Dモデルの作成依頼があり、教授のご指導の下デザインさせていただき、3Dプリンターで模型を作成しました。

実際に模型を使って観察するとより理解が深まり覚えやすいと思いますので、ご紹介させて頂きます。

目次

ウィリス動脈輪とは

ウィリス動脈輪(Arterial circle of Willis)は、頭部における内頸動脈・大脳動脈系などの動脈血管の輪です。

主幹動脈が閉塞した際の側副血行路による供給源としての役割があります。

脳動脈瘤の90%はこのウィリス動脈輪に形成されると言われており、特に好発部位としては内頸動脈-後交通動脈(IC-PC)分岐部、前交通動脈(Acom)、中大脳動脈(MCA)分岐部、の3つが代表的なものとされています。

ちなみに脳動脈瘤の約20%は多発性で、男女比で言うと圧倒的に女性が多く、男性の約5倍とされています。
 
 

ウィリス動脈輪の覚え方

今回作成したウィリス動脈輪模型の、各血管の名称を以下に示します。

この模型を観察し頭の中で整理していけば、より覚えやすくなると思います。

ウィリス動脈輪(模型)

画像の通り、細かい血管も含め正確に再現しています。

以下にその他の画像を示します。

【RAO caudal】
ウィリス動脈輪2

【LL】
ウィリス動脈輪3

【caudal+模型】
ウィイリス動脈輪4

【LAO caudal+模型】
ウィリス動脈輪5

今回作成した模型は、解剖学実習などで使われる脳および頭蓋骨の模型にフィットする形で造形しています。

是非、模型に組み合わせて様々な角度で観察してみてください。

こちらの模型でみなさんの学習の手助けになれれば幸いです。

※こちらの作品は、日本医学教育学会 第55回大会にて発表されました。
● 久留米大学医学部看護学科における頭部の新たなHybrid式解剖学実習の試み
;嵯峨 堅(久留米大学医学部看護学科解剖学領域)

 
 

販売サイト案内

【模型】ウィリス動脈輪3Dモデルは、こちらのサイトにて販売しています。

3DCGデータの画像も添付していますので、是非ご覧ください。

※こちらの作品は受注作成とし、常に売り切れ状態となっている場合があります。注文が入ってから作成しますので(作成日数:1〜2日程度)、購入希望の方は販売サイトのメッセージ、または各種SNSのDMよりお問合せください。

在庫がある場合は、そのまま購入して頂いてOKです。
 
 


2 件のコメント

  • こう より:

    はじめまして。私臨床工学技士をしております。日頃から岡井さんのブログを楽しく、そして一臨床工学技士として拝見し、勉強させていただいております。
    この度日頃から疑問に思っておりなかなか理解が難しいことについて説明、解説していただけたらと思いコメントさせていただきました。万人受けする話題ではないのですが、PCPS時のミキシングポイントとそれらに関連することについて解説していただければ幸いです。是非よろしくお願い致します。

    • 岡井さん より:

      コメントありがとうございます。返信遅くなってすみません!
      いつもみて頂いてありがとうございます!
      PCPS時のミキシングゾーン(ミキシングポイント)についてInstagramでまとめてみたので、以下のURLよりアクセスして下さい(^^)
      また、後日ブログの方でも詳しく解説しようと思います!
      https://www.instagram.com/p/C0_jwMNLS7-/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

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