PCIの手順

PCIの手順

PCIは冠動脈の狭窄をきたしている患者さんに行いますが、心臓の表面を走行している血管に対し治療を行うので、危険もたくさんあります。術中の心停止も起こり得ます。緊急時にも即座に対応できるようにPCIの一般的な手順とポイントや注意点をまとめました。これからPCIに携わる、医師、看護師、臨床工学技士さん、どうぞ参考にしてみてください。


 
 

①消毒と局所麻酔

・一般的に消毒液はイソジンを使用
・一般的に局所麻酔はリドカインを使用する
 
 

②穿刺

・穿刺は橈骨動脈が第1選択
理由は穿刺が容易であること、合併症のリスクが少ないこと
 
・第2選択は上腕動脈
血管が蛇行していたり、透析患者で内シャントがある場合など上腕動脈が第2選択となる(内シャントの位置によっては穿刺禁止)
 
・第3選択は大腿動脈
大腿動脈は患者さんの負担が大きいので、橈骨動脈・上腕動脈で穿刺困難であったり、緊急症例・透析患者で内シャントのある症例で選択する
またCTO症例では太いカテーテルを使用するので、大腿動脈を選択する
 
 

③シースの挿入

・シースは6Fr.〜7Fr.の太さのものを使用し、長さは穿刺部位に合ったものを使用する
・橈骨動脈穿刺の場合は25cm、上腕動脈穿刺の場合は10cm、大腿動脈穿刺の場合は25cm
 
 

④ヘパリン投与

・ヘパリン初期量:70〜100U/kg
・PCI中のACT:250〜400s
・目標に達しない場合は2000〜5000Uを追加する
 
 

⑤ガイディングカテーテルの選択

・ガイディングカテーテルは大動脈の大きさから選択する。また先端の形やバックアップフォースの強さが様々なので、ターゲットとする冠動脈にかかりやすいものを選択する。
 
 

⑥血管拡張剤・造影剤投与

・ガイディングカテーテルが冠動脈にかかったらニトログリセリンを投与し、冠動脈を造影する
・造影剤使用制限:5×体重/Crea 最大300mLまで またはeGFR値の2倍量まで
・CKD患者ではCAGで30mLまで PCIで100mLまで
 
 

⑦狭窄部位にガイドワイヤーを挿入する

・硬さや滑り性の違いから、ターゲットとなる狭窄部位を通過出来そうなものを選択する
・硬いものは操作性が良いが、血管を傷つけてしまうリスクがある
・滑り性に優れるものは狭窄部位を通過し易く屈曲のある血管にも使い易いが、操作性に劣る
・ガイドワイヤーは挿入する前に、先端を目的の部位まで持っていきやすい形状にシェイピングする
・ガイドワイヤーを狭窄部位より遠位部まで通過させる
 
 

⑧IVUSで狭窄部位を観察

・ガイドワイヤーに沿ってIVUSカテーテルを挿入し、狭窄部位の血管径、血管内腔径、血管壁性状、狭窄部径、狭窄部距離、などを評価する
 
・IVUSを狭窄部位に挿入する事によって末梢の血流が滞り、心電図が変化することがあるので注意
・狭窄部位の内腔が2mm以下の場合、IVUSカテ自体の通過が困難な為、IVUSを通す前にPre拡張を行う事がある
 
 

⑨冠動脈バルーンで狭窄部位をPre拡張

・ステントを上手く狭窄部位に留置する為に、狭窄部位を事前に広げておく
・前拡張をせずにステントを留置する場合もあるが、ステントがプラーク等によって浮いた状態で留置されると、後に血栓形成等のリスクがあるので注意
 
・拡張能は劣るが通過性に優れたセミコンを使う事が多い
 
 

⑩IVUSで再確認

・前拡張で病変部が拡張させたかを評価する
・血管径と内腔から径何ミリのステントを何ミリの長さで置くか決定する
 
 

⑪ステント留置

・ランディングゾーンはIVUSにより確認した脂質性プラークが少ない部位をターゲットにし、透視をよく見ながら留置位置を決定する
 
・ステントはノミナール圧3回拡張が基本
 
 

⑫IVUSで再確認

・ステントが十分に拡張し、冠動脈に圧着しているかを確認する
・冠動脈解離や血腫などの合併症が生じてないかを評価する
 
 

⑬冠動脈バルーンで狭窄部位をPost拡張

・IVUSで再確認しステントの拡張が不十分だった場合、もう一度バルーンを使ってステントを押し広げる
・ステントのPost拡張では、硬くて高い圧をかけられるノンコンバルーンを使用する
・Post拡張をした後は再度IVUSで確認を行う
 
 

⑭最終造影確認

・術前と比べて狭窄が解除されているかを確認する
・造影でも冠動脈解離や血腫などの合併症が生じていないかを評価する
 
 

⑮止血

・穿刺部位を圧迫止血する
・止血に何十する場合は止血用デバイスなどの使用も考慮する
 
 
※上記の説明はガイドライン、教科書での一般的な手順、当院での基本的な手順を元に投稿しています。
 
 

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