IABPの心補助の仕組みと効果 心補助率について

IABPの心補助の仕組みと効果 心補助率について

IABP(大動脈内バルーンパンピング)は人工心肺離脱困難症例や虚血性心疾患など心不全に対する心補助として効果を発揮する補助循環法です。大動脈内に細長い風船を挿入し、その風船の収縮と膨張を繰り返すことで心補助を行います。IABPの心補助の仕組みは大きく分けて2つあります。


 
 

ダイアストリック オーグメンテーション

・平均大動脈圧の上昇
・冠血流量の増加
 
心臓の拡張期に風船を膨張させることで心補助効果を発揮します。心臓の拡張期は大動脈弁が閉じている時期です。この時期に風船が膨張していると下行大動脈以降への血流はせき止められ、上行大動脈〜弓部大動脈の辺りの平均圧が上昇します。通常、冠血流は大動脈弁の閉鎖時つまり心臓の拡張期に多く流れます。このタイミングで平均大動脈圧が上昇するという事は必然的に冠動脈への血流がアップします。冠動脈に狭窄があり、流れにくくなっている患者さんでも今まで以上の冠血流が望めるという訳です。冠動脈への血流がアップすれば、心筋への酸素供給量が増えるので心補助としての効果が成り立ちます。
 
 

シストリック アンローディング

・左室仕事量の軽減
・心筋酸素消費量の軽減
 
心臓の収縮期に風船を収縮させます。下行大動脈で下半身への血流をせき止めている風船を収縮させると、血液は大きな出口を見つけたかの様に一気に下半身へと流れはじめます。つまり風船を収縮させたタイミングで大動脈内の圧は下がり、血流は「流れやすく」なります。左心室の立場から考えると、「流れにくい」所に血液を打ち出すよりも、「流れやすい」所に打ち出すほうが楽なのがイメージ出来ると思います。小さな力で血液を打ち出せるので、心臓の拍動の度に消費する酸素消費量を軽減する事ができるのです。
 
 

IABPの心補助率

IABPの心補助率は20%程度と言われています。IABPを導入しても尚、循環動態が安定しないのであればVA-ECMO(PCPS)へのコンバージョンを検討しましょう。CCU領域ではIABPとVA-ECMOを併用する様な症例も稀にあります。
 
 


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